お知らせ

⭐︎花粉症の注射(®️ゾレア)⭐︎

202403.05
#お知らせ

®️ゾレアは非常に高額ですが、保険診療です。そのため適応なく注射すれば保険診療がパンクします。

そしてこの理由はただ単純に薬価が高いためです。

最近花粉症に対する生物学的製剤(®️ゾレア)の問い合わせも増えて参りましたのでお書きします。

✳︎美容などの自費診療とは対照的に保険適応なので審査は厳しいです。厳しい適応があるため希望すれば誰でもできるわけではありません。外来通院し、重症な方に医師から勧める治療です。

 

以前の治療は®️ケナコルトの皮下注射です。整形外科領域などで関節内などに炎症止めの注射を流用したもので、保険外診療ですし、当院では行なっていません。

✳︎注射は保険適応です。

①対象は12歳以上で、4週間ごと(又は2週間ごと)に注射します(2-5月に行います)。

②今シーズン、従来の治療法(抗ヒスタミン薬や点鼻薬など)で1週間以上治療し、コントロール不良な重症例が対象です。軽症な方は対象になりません。

③治療の前に、総IgE値とスギ特異的IgE値を測定する必要があります。(直近の総IgE値と体重で投与量が決まります。総IgE値が異常高値の場合や、スギ特異的IgE値がClass 3以上が適応になります。)

④費用はゾレア®︎の薬剤費のみで1か月あたり、3割負担の方で約4444円〜69953円かかります(投与量・回数によって金額が変わります)。その他、受診、検査にかかる費用、同時に服用し続ける必要のある抗ヒスタミン薬の処方費がかかります。ノバルティス社のホームページの季節性アレルギー性鼻炎コーナーで概算費用を確認できます。
小児は12歳以上が適応ですが自治体によってはこども医療費などの医療費助成が受けられます。

⑤効果はそのシーズン限りです。そのため、ゾレア®の適応となった重症花粉症患者さんは、6月以降になればスギ舌下免疫療法を考えてみましょう。舌下免疫療法はスギ花粉症に対する唯一の根本治療です。

舌下免疫療法、手術加療も当院で行っていますので、詳細は当院ホームページをご参照ください。

✳︎最終的な治療法は医師の判断になります。

 

問診をして、重症または最重症のスギ花粉症であるかどうか診断します。場合によっては、症状が副鼻腔炎などの他の病気によって引き起こされているものではないかを、レントゲンやファイバースコープ検査などで確認することもあります。

 

1回目の受診
1週間以上、 既存の治療(抗アレルギー剤、鼻噴霧用ステロイド剤など)を行います。

 

2回目の受診

1回目の受診時に行った既存の治療の効果を確認します。効果が悪ければ、ゾレア治療の適応となりますので、投与量決定のための血液検査(総IgE測定)を行います。

 

3回目の受診

ゾレア®の注射を開始
予約日に受診していただきゾレア治療の最終確認とゾレアの投与を行います。
投与数日後~2週間後に効果が出始め、効果の持続期間は1ヶ月と言われています。

 

クリニックには注射の手技料のみの軽微な利益のため、キャンセルされるとクリニックは在庫を抱えたまま数万円マイナスのリスクを抱える薬です。 

患者さんによっては大きな利益を得るために高価な薬を勧めると方がいますが、こちらは手技料のみで加算もないため、そういうことは一切ございません!!

 

花粉症にケナコルトの注射は絶対に打たないでください!!

 

心からのお願いです。絶対にケナコルトは注射しないでください。

花粉症の治療でケナコルトの注射をしているという患者さんが毎年、来院されています。今年も複数名いらしゃいました。

ケナコルトは免疫抑制剤です。確かにアレルギー症状は一時的に良くなるかと思いますが、それ以上に将来的なリスクを背負い込むことになります。これだけは言えます。ケナコルトを薦める医者は貴方の将来なんてこれっぽっちも考えてくれやしていません。絶対にダメです。ケナコルト以外の治療法も沢山あります。当院に受診してくれと言っているのではありません。ケナコルトを薦める医者以外の病院を少なくとも受診してくれと言っているのです。

 ケナコルトは長期的に炎症が治るステロイドのため、逆にいうとずっとステロイドが使用していることになります。使用後には、糖尿病、腎不全、骨粗鬆症や骨折など合併症が起こる可能性があります。こういったことが起こる可能性がある注射を行うことは同じ医療従事者としていかがなものでしょうか。